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ロータス・ヨーロッパ
 

ロータス・ヨーロッパ, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=271706 / CC BY SA 3.0

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ロータス・ヨーロッパ

ヨーロッパ(”Europa” )は、イギリスのスポーツカーメーカーであるロータス・カーズが1966年から1975年まで製造していたスポーツカーである。2006年ヨーロッパSで名前が復活した。

ロータスとしては初のミッドシップにエンジンを搭載したロードカーである。それまで生産して来たロータス・セブンの後を継ぐモデルとして企画され、軽量かつできる限り廉価であることを目標にして開発された。合計9230台が販売された。

タイプナンバー46、通称シリーズ1と呼ばれた最初期型ヨーロッパはこの時点で、全てのヨーロッパに共通して言える特徴を備え、エラン譲りの強靭な逆Y字型バックボーンフレームを有し、繊維強化プラスチック (FRP) 製の軽量ボディを架装した。通常のバックボーンフレームではなく、エンジンマウント部をY字に開いているのは、エンジンを可能な限り低く落とし込んで搭載するための工夫であり、エンジンは太いボックス断面を持つフレームの間に挟まれるようにして載せられていた。
メカニズムは、ユーザーの要求に応えて変化をするものの、当時としては最新であり原型としては完成されていたことで前述の二つについては大きく変更されていない。

フロントにダブルウィッシュボーン式、リアにラジアスアームとロアトランスバースリンク式を組み合わせた、ヨーロッパ専用に設計されたサスペンションを採用している。これは、ギアボックス上を通過するボックス断面型鋼板ラジアスアームを配置し、ドライブシャフトを兼ねたアッパーアーム、それにロアアームを組み合わせたものだった。ちなみにフロントサスペンションは、トライアンフ・スピットファイアのものから流用した既製品である。

当時、ミッドシップ車は存在したものの、それは日常使用に向かないレーシングカーや富裕層向けの高価格・高級モデルしかなかった。開発目標の一つに庶民にも手の届くスポーツカーを目指していたことから、当時としては最先端であるFRPボディを採用や優秀な空力フォルムなど技術的トピックに溢れるヨーロッパもコストダウンの跡が随所に見られる。ウインドウは固定式であり、内装もカーペットや遮音材類は採用していない。

パワートレイン関係は、全てルノー・16からの流用で、ルノーの手によって行われたエンジンチューン以外は完全な吊るしの状態で搭載されていた。コストダウンとの兼ね合いもあるが、このガソリンエンジンは、ウエットライナー構造で、アルミ合金製。センタープラグ・クロスフロー方式の半球型燃焼室を持った水冷式直列4気筒OHVエンジンは、排気量1.5Lで、圧縮比の向上やハイカムなどによって、82馬力を発生する。トランスミッションは、実用車からの流用で4段MTである。車体重量は非常に軽く610kgに抑えられている。

シリーズ1はフランスへの輸出を念頭において生産されたモデルだったため、イギリス向けに販売された公式記録は無く、右ハンドル車もメーカでは製造していない。しかし母国イギリスにて右ハンドルへ改造された個体も存在し、日本にも個人輸入されている。

ヨーロッパの名前はついていないが、ヨーロッパ・シリーズ1をベースにしたレース仕様が、ロータス47である。クォーターピラーの形状から「世界一速いパン屋のバン」と呼ばれ、グループ4カテゴリーの出走を目的としたこのモデルは、FRP製ボディカウルが更に軽量化され、リアサスペンションは大きく構造を変更し、当時のロータスF1にほぼ準ずる4リンク式に改められるなど、レースで勝つことに焦点を絞っている。

フレームに関しては、市販型ヨーロッパと同様の逆Y字型だが断面形状が異なり(市販車と比べBL寸法が小さくWL寸法が大きい)、板厚も下げられ市販型とは別物である。このシャシは市販型より軽量だが脆弱で撓み易く、クラックが入り易い。動力性能に関しては大きく変更され、エンジンは1.6Lのコスワース製Mk.13型直列4気筒エンジンに換装、強力なエンジンパワーに対処するためヒューランド製FT200と呼ばれる5段マニュアルトランスミッションが搭載された。ブレーキもリアブレーキがドラム式からディスクブレーキに変更されている。

レース用に大幅なモディファイを加えられたロータス47は、小排気量ながらその軽量ボディを生かし、グループ4では常勝の一角に数えられ、時には格上クラスの車の順位も上回った。その後も開発は進められ、シャシーの改良、大排気量V型8気筒エンジンを搭載したモデルなどが派生した。

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